前回(第1話)は、AIトレードの検証待ちにゲーム作りを始め、ChatGPT Liveでの回り道の末に「ゲーム基本設計書 v0.1」を用意したところまででした。
第2話は、その設計書を、いよいよコード作成担当のAIに渡すところからです。文章だけだった村が、画面の中で動き出します。
🌱 この体験記について
AIと一緒に、何もないところからゲームを作っていく、制作途中の記録です。「AIに頼めばすぐ完成する」という話ではなく、どこまで進んで、どこで迷うのかを正直に残します。
まず、設計書を「正式な仕様」として渡す
最初にやったのは、コードをいきなり書かせることではありませんでした。
前回できた「ゲーム基本設計書 v0.1」を、コード作成担当のAI(コードづくりが得意なCodex)へ渡して、「これを正式な仕様(ルール)として扱ってください」とお願いしたのです。
そして大事なのが、最初から欲張らないこと。今回のゴールは、小さな第一歩だけに絞りました。いわゆるMVPです。
🔤 用語メモ: MVPとは
Minimum Viable Product(実用最小限の製品)の略。あれこれ盛りこまず、「まず動く最小の形」だけを作ること。今回は「村人が木を切って運ぶ」だけ、と決めました。
今回作る「最小の村」はこんな内容
コード担当AIにお願いしたMVPの中身は、こんな感じです。
- Godot 4 というゲームエンジンと、GDScript というプログラム言語を使う
- 画面は、上から見下ろす2Dのマップ
- 村人は、最初は4人
- 木を選んで「伐採(ばっさい)」の指示を出す
- 村人が自動で木まで歩いていき、切った木材を資材置き場へ運ぶ
- 一時停止・1倍・2倍・4倍で、時間の速さを切り替えられる
🔤 用語メモ: Godotとゲームエンジン
ゲームエンジンは、キャラを動かしたり画面を描いたりする土台のこと。Godot(ゴドー)は、その中でも無料で使える人気のソフトです。GDScriptは、そのGodotで使う、比較的やさしいプログラム言語です。
逆に、この時点で「まだ作らないもの」も、はっきり決めておきました。セーブ(保存)、塔、戦闘、旅人、建物の建築。これらは、全部あとまわしです。
見た目も、凝ったイラストは不要。四角や丸などの「仮の置きもの(プレースホルダー)」で十分。まずは動くことを最優先、とお願いしました。
AIは、いきなりコードを書かなかった
面白かったのは、AIの進め方です。
「はい作ります」と、いきなりコードを書き始めるのかと思いきや、AIはまず、ゲームの骨組みを整理してくれました。どんな画面があって、どんな部品(スクリプト)が必要で、データをどう持つか。作る前に、その見取り図を出してきたのです。
こんな感じのやり取りでした(実際の会話をそのまま再現したものではなく、雰囲気を伝えるイメージです)。
こんな感じのやり取り(イメージ)
家を建てる前に、まず間取り図を描く。あの感覚に近いと思いました。
そして、村人が木を切り始めた
骨組みが決まると、AIは実際にMVPを組み上げていきました。
そして画面の中で、4人の村人が、木に向かって歩き出したのです。
木まで行って、伐採して、木材を資材置き場まで運ぶ。それを、私が一体ずつ命令しなくても、勝手にこなしていく。
仮の図形で表示された、素朴な村。でも、確かに「動いて」いました。
これには、少し感動しました。数時間前まで、ただの言葉のメモだったものが、画面の中で生きて動いている。
最後にAIは、READMEという説明書に、起動方法・操作方法・今はまだできないこと(既知の制限)まで書いてくれました。これが後々、大事になっていきます(その話は第4話で)。

今回の学び: 大きく頼まず、小さく動かす
📝 今回の学び
AIにゲームを作ってもらうとき、いきなり「面白いゲームを一本作って」と丸投げすると、たぶんうまくいきません。
それより、「まず、これだけ動けばいい」という小さなMVPを決める。小さく動くものができると、次に何を足せばいいかが自然と見えてきます。そしてそれは、「ここまでは無理をしていない」という安全な足場にもなります。
村人が木を切るだけの、地味なMVP。でも、ここがすべての出発点でした。
次回は、この「木を切るだけ」のはずだった村を眺めているうちに、私の気持ちがだんだん変わっていく話です。


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