このブログでは少し前まで、「AIボット体験記」という連載を書いていました。AIに相談しながら、暗号資産の自動売買ボットを作っていく記録です。
その連載をいったん一区切りして、今度は「ゲーム」を作り始めました。AIと一緒に、村づくりゲームを一から作る。この「AIゲーム制作体験記」は、その記録です。
第1話は、そもそもなぜゲーム作りを始めたのか。そして、最初の設計書づくりで、さっそくつまずいた話です。
🌱 この体験記について
AIを使ったゲーム制作の実体験をもとにした記録です。「AIに頼めばゲームが自動で完成する」という話ではありません。うまくいったことだけでなく、勘違いしたことや詰まったことも、正直に残していきます。
AIトレードを、いったん止めることにした
なぜ、急にゲームなのか。まずはそこからです。
AIボット体験記では、AIに取引ボットを作ってもらっていました。ただ、これがなかなか手ごわい。ボットができても、「これは数日かけて検証(テスト)しないと、使えるかどうか判断できません」というケースが、とにかく多いのです。
しかも、その検証が終わっても、「よし、これなら本番でいこう」というGOサインは、今のところ一つも出ていません。ゼロです。
トレードは、あせるものではありません。そこで割り切りました。AIトレードは、しばらく「検証を続けて、使えそうなものができるまで待つ」フェーズにする、と。
そうなると、待っている間、少し手が空きます。
待ち時間に、前からやりたかったゲーム作りへ
「じゃあ、前からやってみたかった、あれをやろう」。
そう思って手を出したのが、ゲーム作りでした。自分のゲームを一度作ってみたい、というのは、以前からの小さな夢だったのです。
私はプログラミングの専門家ではありません。頭の中にあったのも、ぼんやりしたイメージだけ。小さな村。訪ねてくる旅人。ある日ぬっと現れる塔。その塔へ、村の住民を冒険者として送り出す。村づくりと冒険が混ざったゲームです。
形はある。でも、それをどう実際のゲームにすればいいのか、さっぱり分かりません。
そこで、まず「設計図」から作ることにしました。いきなりコードを書かせる前に、どんなゲームかを言葉でまとめておく。その入り口で、私は最初のつまずきに出会います。
ChatGPT Liveで、設計書を作ろうとした
使ったのは、ChatGPT Liveという音声会話の機能です。
🔤 用語メモ: ChatGPT Live(音声会話)
AIと、文字ではなく「声」で会話できる機能です。スマホに話しかけると、AIが声で答えてくれます。散歩しながらでも相談でき、アイデアを広げるのに便利でした。
声で話しながら、村の仕組み、宿屋と旅人、酒場、冒険者、塔と、アイデアはどんどん広がります。ChatGPTは「村を育てる」と「塔を攻略する」を交互に繰り返す流れに、きれいに整理してくれました。
ある程度まとまったところで、「この内容を、あとでプログラム担当のAIに渡せる設計書にまとめてほしい」と頼みました。ChatGPTは「まとめていきます」「渡せる形にします」と、頼もしく答えてくれました。

「作っています」を信じて待ったら、何も残っていなかった
ここで、大きな勘違いをします。
こんな感じのやり取り(イメージ)
私はてっきり、音声を切ったあとも設計書が書き進められている、と思い込みました。
ところが、しばらくして進み具合を聞くと、答えは違いました。設計書そのものは、まだできていない。会話していない間に、自動で書き続けることはできない。さきほどの言い方は誤解をまねくものでした、と。整理が3割ほど、渡せる文章は0割。
私はすっかり、設計書ができていると思い込んでいました。でも実際には、話した中身が宙に浮いていただけで、「読める設計書」は一行も残っていなかったのです。

ここで、大事なことに気づきます。通常のチャットの使い方では、AIは会話していない間に、勝手に原稿を書き進めてはくれません。 AIは、返事を求められたその場で文章を作る。人間のように、会話のあと机に向かって何時間も書き続けるわけではないのです。
「今ここで出してください」で、設計書ができた
待っていても、設計書はできあがりません。
そこで、頼み方を変えました。「進めておいて」ではなく、「今、この返事の中で、完成した設計書として出してください」。
すると、ChatGPTはその場で「ゲーム基本設計書 v0.1」を書き出してくれました。仮タイトル、ゲームの流れ、村人の仕事、資源や建物、宿屋と旅人、酒場と冒険者、塔と戦闘、そして最初に作る最小構成(MVP)まで。ようやく、目に見える設計書ができました。
🔤 用語メモ: MVPとは
Minimum Viable Product(実用最小限の製品)の略。あれこれ盛りこまず、「まず動く最小の形」だけを作ることです。今回は「村人が木を切って運ぶ」だけ、と決めました。
今回の学び: AIには「その場で出して」もらう
📝 今回の学び
AIとの会話は、アイデアを整理するのに向いています。でも、設計書のような「成果物」がほしいときは、待っていてはいけません。
・文章・リスト・ファイルなど、目に見える形で、その場で出してもらう
・長い作業は「まず第1章を書いて」「次に第2章を書いて」と小さく区切る
・「進んでいますか?」より、「ここまでの完成版を、いま表示してください」と聞く
この頼み方に変えるだけで、「できているはずなのに、何も残っていない」という空振りを防げます。
こうして、頭の中の断片が、なんとか設計書になりました。まだ粗くて、数字も仮ばかり。それでも、最初の一歩を頼むための出発点としては十分です。
次回は、この設計書をプログラム担当のAIへ渡して、いよいよ村を「動くゲーム」にしていきます。文章の中にしかいなかった村人が、画面の中で歩き出します。


コメント