前回(第4話)は、原本がフランス語だと分かり、資料が241ページに増えた話でした。
数字の根拠は固まってきた。次は言葉です。
きっかけは、サイトを見てくれた方からの指摘でした。
🍯 この体験記について
AIを使って実際にサイトを作り、公開し、間違いを見つけて直していった記録です。今回は、AIが依頼を理解したように見えて、実は理解していなかった話です。
📋 今回の実施記録
実施日: 2026年7月29日
環境: Claude Code、英語版・フランス語版の原文、訪問者からの指摘
所要時間: 正確な作業時間は未記録
追加費用: 0円(契約済みのAI利用料を除く)
結果: 造語の基準を定めて12件を抽出し、自サイトの誤訳も1件発見
記録の再確認日: 2026年8月3日
「造語が多いので、一覧があると分かりやすい」
届いた指摘は、こういう内容でした。
このゲームは造語が多いので、最初に造語一覧があると分かりやすい
これは、たしかにそのとおりでした。このアプリの資料には、辞書を引いても出てこない言葉がたくさん出てきます。読んでいる本人が慣れてしまうと、その不便に気づかなくなります。
さっそくAIに、造語の一覧を作ってもらうことにしました。
出てきたのは、造語ではなかった
返ってきた案を見て、私は少し固まりました。
一覧の先頭に並んでいたのは、こんな言葉です。
- M2E
- エネルギー
- ネクター
……これは、造語ではありません。
M2Eは業界でふつうに使われている略語ですし、エネルギーもネクター(花の蜜)も、辞書に載っている言葉です。ゲーム内での意味を説明する価値はありますが、「造語」ではない。
私はそのまま伝えました。
これらは造語ではありません
AIの初案を人間が見直し、ゲーム固有の造語だけを選び直した場面
そもそも「造語」とは何か、を決めていなかった
ここで自分の依頼を振り返って、なるほどと思いました。
私は「造語一覧を作って」としか言っていません。AIは、その言葉を「初心者向けに説明が必要な用語」くらいに広く解釈したのだと思います。その結果、M2Eやエネルギーまで同じ一覧に入りました。
つまり、悪かったのは指示の側でもありました。私が頭の中で思っていた「造語」の定義を、渡していなかったのです。
そこで、基準をはっきり決め直しました。
元の英単語を知っていても、意味が取れない語
この基準で241ページを洗い直したところ、12件が残りました。いくつか紹介します。
| 造語 | 成り立ち |
|---|---|
| Hiving | Halving(半減)+ Hive(巣) |
| Beesness | Business(商売)+ Bees(ハチ) |
| ApicHolder | Apiculture(養蜂)+ Holder(保有者) |
| Ecolo-Fi | Ecology(生態)+ -Fi |
こうして並べると、はっきりします。HalvingもHiveも知っている人でも、「Hiving」を初見で正しく理解するのは難しい。これが造語です。
AIは一覧をすぐに作りましたが、私が欲しかった一覧とは違いました。変える必要があったのは、集める基準です。基準を1行決めただけで、出てくる結果がまるで変わりました。
なお、一覧に入れなかったM2Eやネクターも、初めての人には分かりにくい言葉ではあります。そちらは造語一覧ではなく、それぞれの解説ページで説明する形にしました。分からない言葉を1か所に詰め込むと、こんどは一覧のほうが読み切れなくなるからです。
ついでに、自分のサイトの誤訳も見つかった
この作業には、思わぬ副産物がありました。
原文を洗い直しているとき、私のサイト自身の間違いを1件見つけたのです。
原文では、ハチの優秀さを表す言葉として、種類ごとに別の単語が当てられていました。片方が「Glimmer」、もう片方が「Gleam」。どちらも「輝き」に近い意味ですが、原文はきちんと語を使い分けていたわけです。
ところが私のサイトは、両方まとめて「輝き」とだけ訳していました。読む人からすれば、区別があること自体が見えません。
言葉の一覧を作る作業が、結果として自分の訳の粗も洗い出してくれた形です。
今回の学び: 「分かりました」は、同じ意味とは限らない
📝 今回の学び
AIは、依頼をきちんと受け止めて、すぐに一覧を作ってくれました。仕事は速い。ただ、その「造語」という言葉の中身が、私と同じではありませんでした。
AIが依頼を理解したように見えても、言葉の定義まで共有できているとは限りません。判断がぶれそうな言葉は、「今回はこういう意味で使います」と先に渡す。今回は、基準を1行足すだけで結果が変わりました。
言葉は整理できました。次は数字です。
241ページも資料があるのだから、数字くらいはもう確かだろう。……そう思っていたのですが、今度は資料そのものが実際のゲーム画面と食い違っていました。



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