前回(第2話)は、設計書をコード担当AIに渡して、村人が木を切るだけの最小のMVPを作ってもらった話でした。
作る前の私は、こう思っていました。「木を切って運ぶだけなんて、地味すぎて、すぐ飽きるだろうな」と。
ところが、実際に動かしてみると、まったく違ったのです。
🌱 この体験記について
AIと一緒に、何もないところから村づくりゲームを作っていく制作途中の記録です。「AIに頼めばすぐ完成する」話ではなく、実際にどこまで進んで、どこで迷うのかを正直に残します。
動かしてみたら、意外と「見ていられる」
MVPを起動すると、四角や丸で表された村人たちが、それぞれ木のほうへ歩いていきます。
木にたどり着くと、伐採して、木材を抱えて資材置き場まで戻ってくる。運び終えると、また次の木を探しに行く。
私は一体ずつ命令していません。村人が、自分で「次はこれをやろう」と仕事を選んで動いているのです。
それを、少し離れて眺めている。……これが、意外と見ていられるのです。
「あの子、遠くの木まで行ったな」「今度は近い木を選んだな」。ただ働いているだけの村人に、なぜか親近感がわいてきます。
【画像候補: 4人の村人がそれぞれ別の木へ向かって働いているMVP画面】
「機能」が「体験」に変わる瞬間
第2話で作ったのは、機能の一覧でした。伐採の指示、資材置き場、村人の自動作業、そして時間の速さを変える速度切替。
紙の上では、ただの箇条書きです。
でも、それが画面の中で同時に動き出すと、急に「プレイヤーの体験」に変わりました。
たとえば速度切替。1倍だとのんびり眺められて、2倍・4倍にすると村人がせかせか働き出す。ただ時間を速くするだけの機能なのに、「よし、もっと働け」と応援したくなる。
止まっていた「機能の説明」が、動いた瞬間に「遊びの感触」になった。これは、実際に動かしてみないと分からない感覚でした。
「勝手にやってくれる」のが、思ったより気持ちいい
もうひとつ、じわじわ効いてきたのが、村人の「自動っぷり」でした。
たとえば木材。ある程度の量がたまるまで、村人は黙々と伐採を続けます。使って減れば、また自分たちで補充を始める。私が「木を切れ」「もう切るな」と、いちいち指示を出さなくてもいいのです。
伐採場も、掘り尽くして枯れる、ということがありません。何人かが、それぞれ別の作業枠を使って、同時に働けるようにもなっていました。
そして、いちばん和んだのが、仕事がない村人の行動です。やることがないとき、村人はただ突っ立っているのではなく、村の中をぶらぶら歩き回るのです。
働いて、運んで、手が空いたら散歩する。そんな様子を眺めているだけで、「ちゃんと生きている村だな」と、妙にほっこりしました。私がこまごまと指示を出す手間も、いつのまにか減っていきました。
🔤 用語メモ: プレースホルダー
「仮置き」のこと。ちゃんとした絵ができるまで、四角や丸で代用しておく部品です。見た目は素っ気ないですが、動きの確認にはこれで十分でした。
絵がなくても、「動き」があれば世界が生まれる
いちばん驚いたのは、絵がまったく完成していないのに、ちゃんと「村」に見えたことです。
村人は、ただの色つきの図形。木も、資材置き場も、仮の見た目。
それでも、キャラクターが目的を持って動いているだけで、そこに小さな世界が生まれていました。
こんな感じの気持ちでした(会話のイメージです)。
こんな感じの心の声(イメージ)
見た目を作り込むのは、あとからでもいい。まず「動き」を先に作る。この順番が、けっこう大事なのかもしれません。
今回の学び: 動きが先、絵はあとでいい
📝 今回の学び
ゲーム制作というと、まずかっこいい絵から作りたくなります。でも、絵が完成していなくても、キャラクターが目的を持って動くだけで、面白さの芽は見えてきます。
「動くもの」を先に作ると、それを見ながら「次はこうしたい」というアイデアが自然にわいてくる。AIと作るときは、この順番が相性よく感じました。
木を切るだけの村。でも、見ているうちに、私の中で欲が出てきます。
「もっと家を建てたい」「畑もほしい」「この村を、ちゃんと育ててみたい」。
次回は、そのために欠かせなかった、地味だけれど命綱になる存在、READMEの話です。


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