【AIゲーム制作体験記 第5話】仮素材のはずなのに、世界観が生えてきた

AIゲーム制作体験記 第5話 仮素材から世界観が生まれる AIゲーム制作体験記

前回(第4話)は、READMEという説明書が、育ちすぎて攻略本みたいになった話でした。

今回は、見た目の話です。

最初は「絵なんて仮でいい、四角と丸で十分」と割り切っていたのに、気づけば、村に「世界観」が生えてきていました。

🌱 この体験記について

AIと一緒に、何もないところから村づくりゲームを作っていく制作途中の記録です。今回は、「仮のつもり」が、いつの間にかゲームの方向性を決めていく話です。

最初は「仮でいい」と割り切っていた

第2話で決めたとおり、見た目は最初、完全に後回しでした。

村人は色つきの図形。木も、資材置き場も、家も、ぜんぶ仮の見た目。まずは動くことが最優先で、絵はあとから差し替えればいい、と思っていました。

実際、その割り切りは正解でした。仮素材のおかげで、見た目に悩まず、動きの確認だけに集中できたからです。

……ここまでは、計画どおりでした。

動いているのを見ると、「どんな村か」が気になり出す

ところが、村人が働く様子を眺めているうちに、私の頭の中で、勝手に想像がふくらんでいきます。

「この村、どんな村なんだろう」「明るい村がいいな」「かわいい感じ? それとも、ちょっと不思議な感じ?」

仮素材の四角を見ているだけなのに、なぜか「世界観」を考え始めてしまう。

そして、AIと相談しているうちに、村の性格がだんだん決まっていきました。お菓子や玩具、ぬいぐるみが並ぶ、やわらかくて可愛い村。色は、やさしい緑と、クリーム色と、木の色。

【画像候補: 仮素材の村が、少しずつお菓子やぬいぐるみの世界観を持ち始めるイメージ】

そこに、少しだけ「不穏」が混じる

面白かったのは、可愛いだけで終わらなかったことです。

相談を重ねるうちに、こんな設定が生まれました。可愛い村に、あるとき「塔」が現れて、その影響で、ネオンや配線、グリッチ(映像の乱れ)のような、少しサイバーで不穏な雰囲気が、村へじわじわ侵食してくる。

可愛さと、不穏さ。この2つが混ざった、いわゆる「キモカワ」な世界観です。

🔤 用語メモ: グリッチ

映像や画面が、一瞬バグったように乱れる演出のこと。わざと「壊れかけた感じ」を出して、不思議さや不穏さを表現するときに使われます。

不思議なもので、こういう「世界観の言葉」が決まると、今度は作りたい機能まで増えていきました。

「可愛い側」と「侵食された側」で、村の雰囲気が変わったら面白い。ならば、その度合いを表すメーターがほしい……というふうに、見た目の話が、いつの間にか仕組みの話に発展していったのです。

しかも、ただ数字が動くだけではもったいない。相談するうちに、村の雰囲気を「夢のように可愛い状態」「可愛さと不穏さが混ざった状態」「サイバーに侵食された状態」の3段階のような形で表す案まで出てきました。

見た目のイメージが、そのまま「ゲームの状態」になっていく。最初にただの四角を並べていたときには、まったく想像していなかった展開です。

見た目と機能は、お互いを引っぱり合う

ここで気づいたのは、見た目と機能は別々ではない、ということでした。

「こういう世界観にしたい」と思うと、「じゃあ、こういう仕組みが必要だ」となる。逆に、動く仕組みができると、「この動きなら、こういう見た目が似合う」となる。

こんな感じの往復でした(イメージです)。

見た目と機能の往復(イメージ)

見た目から: 可愛い村が侵食されていく世界にしたい
機能へ: なら、可愛さと侵食の度合いを測るメーターを入れよう

最初は「ただの仮素材」だったはずのものが、気づけばゲーム全体の方向性を引っぱり始めていました。

しかも、名前をつけると、さらに具体的になります。「可愛い村」「侵食」「キモカワ」と言葉が決まった瞬間、頭の中の絵がはっきりして、「この雰囲気なら、こういう建物がほしい」「この色が合う」と、次々にアイデアが出てくる。言葉が、想像のスイッチを押してくれる感じでした。

今回の学び: 世界観は、動かしながら育てられる

📝 今回の学び

世界観は、最初から完璧に決めておかなくても大丈夫でした。むしろ、動くものを見ながら「どんな雰囲気にしたいか」を後から決めるほうが、無理なく決まっていきます。

仮素材で始めて、動かして、見ながら育てる。AIと一緒だと、この「育てる」進め方がやりやすいと感じました。

可愛い村に、塔と侵食。世界観がはっきりしてくると、私はいよいよ、あの約束を破りたくなってきます。

「塔は、まだ作らない」。そう決めていたはずなのに。次回は、その塔が立ってしまう話です。

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