前回は、Hyperliquidのtestnetでテスト用USDCをもらい、ようやくプログラムから残高が見えるところまで進みました。
ここまで来て、私の中ではこうです。
「よし。やっと本題に入れる」
本題とは、Xで見たトレード手法をAIに渡して、自動取引ボットにしてもらうことです。
ただ、この時点で私は、トレードの知識がしっかりあるわけではありませんでした。少しかじったことはあります。でも、自分で取引しても負けるばかりで、利益を上げられない。だからこそ、AIで自動化できないかと思ったわけです。
そして、ここから作り始めたボットの名前が「Yoshi bot」でした。
名前の由来はとても単純です。きっかけになったX投稿の投稿者名が、Yoshiさんだったからです。
⚠ この連載について
この連載は、AIを使った自動取引ボット作成の体験記です。投資助言や売買推奨ではありません。暗号資産は大きく値動きし、損失が出る可能性があります。実際に試す場合は、必ず自己責任で、余剰資金の範囲で判断してください。
今回の流れ
- Xで見たトレード手法の内容をAIに渡す
- Yoshi botという名前で作り始める
- AIが投稿内容を「条件」に分解し始める
- 環境認識、水平線、反発、損切り、利確がコードの部品になる
- 私は水平線の意味もあやしいまま、AIの説明についていく
- 気づいたら、ボットの骨組みができてしまう
X投稿をそのままAIに渡した
最初にAIへ渡したのは、Xで見たトレード手法の内容でした。
細かい文章をそのまま載せるのではなく、私がAIに理解させたかった要点だけ整理すると、だいたいこうです。
AIに渡した考え方の要点
- 上か下か、相場の方向がはっきりしている時だけ入る
- 水平線と反発の形がそろった時だけ入る
- ピンバーや包み足のようなローソク足の形を見る
- 損切りはエントリー時点で固定して、あとから動かさない
- 利確は一度に全部ではなく、半分ずつ分ける
- 資金が増えたらロットを上げ、減ったら下げる
私はこの投稿を見て、こう思いました。
「これをAIに読ませて、そのままプログラムにしてもらえば、いけるのでは?」
今思うと、かなり危ない発想です。
料理のレシピを見て、調理器具も火加減も分からないのに「自動調理ロボに入れれば完成するはず」と思っているようなものです。
でも、その時の私はかなり本気でした。
しかも前回までで、Hyperliquidのテスト環境は見えるようになっています。つまり、本物のお金ではないとはいえ、プログラムから取引所っぽい場所を触れる状態にはなっていました。
ここまで来ると、気持ちは前のめりです。
AIは、投稿を条件に分解し始めた
AIに投稿内容を渡すと、AIはまず、手法をそのままコードに書くのではなく、条件に分解し始めました。
たとえば、投稿では「環境認識で上か下が明確」と書かれていました。
AIはこれを、単なる雰囲気ではなく、プログラムで判定できる形にしようとします。
「上昇トレンドかどうか」
「下降トレンドかどうか」
「中途半端な時は見送る」
こういう判定が必要になるわけです。
次に「水平線+反発」です。
ここで、私は早くもあやしくなります。
水平線。
聞いたことはあります。チャートに横線を引くやつです。
でも、どの価格に引けばいいのか。どれくらい反発すれば反発なのか。何本前のローソク足を見るのか。私はそこまで説明できません。
それでもAIは、淡々と分解していきます。

そのときの会話イメージ
「分からない」より先に、コードができていく
AIは、取引手法をざっくり次のような部品にしていきました。
Yoshi botの最初の部品
- 環境認識: 相場が上向きか下向きか、それとも中途半端かを見る
- 水平線検出: 価格が何度も意識している場所を探す
- 反発パターン: ピンバーや包み足のような形を探す
- エントリー判断: 条件がそろった時だけ入る
- 損切り: 入った時点で固定する
- 分割利確: 半分を先に利確し、残りを伸ばす
- ロット管理: 資金が増えたら大きくし、減ったら小さくする
文章で見ると、それっぽいです。
むしろ、かなり賢そうです。
そしてAIは、この部品ごとにファイルや関数を作り始めます。
チャートを分析する部分。
注文を出す部分。
ポジションを管理する部分。
損切りや利確を置く部分。
ログを残す部分。
私が理解しているかどうかとは関係なく、プロジェクトの形ができていきます。
ここで私の中に、2つの気持ちが同時にありました。
ひとつは、
「すごい。自分では絶対に書けないものができている」
もうひとつは、
「これ、本当に意味が分かっていない人間が動かしていいのか?」
という不安です。

水平線の意味も分からないまま、テスト計画が出てくる
AIは、コードを書くだけでは終わりませんでした。
次に、テストの順番まで出してきます。
いきなり注文を出すのではなく、まずは各部品が動くかを確認する。
相場データを取れるか。
環境認識ができるか。
水平線を検出できるか。
ピンバーや包み足を検出できるか。
条件がそろわない時に、ちゃんと見送れるか。
そして、最終的にテスト用の通貨で注文を出せるか。
この流れ自体は、かなりまともでした。
むしろ、AIの方が私より慎重です。
私は内心では「もう動かしてみたい」と思っています。AIは「まず確認しましょう」と言ってきます。
この時点で、どちらが人間でどちらが先生なのか、少し分からなくなっていました。

今回の落とし穴
思っていたこと: X投稿をAIに渡せば、すぐ売買ボットが完成する。
現実: 投稿内容をプログラムにするには、あいまいな言葉をすべて数値や条件に置き換える必要がありました。しかも、本人が意味をよく分かっていなくても、AIはそれっぽく形にできてしまいます。
できた、ではなく、できてしまった
この第3話で一番印象に残っているのは、完成した喜びよりも、「できてしまった」という感覚です。
私は、水平線の引き方を人に説明できません。
ピンバーと包み足も、見ればなんとなく分かるかもしれない、くらいです。
それなのに、AIはそれをコードにします。
しかも、ただのメモではなく、実際に取引所のテスト環境とつながる形で作っていきます。

これは便利です。
でも同時に、かなり危険でもあります。
AIがコードを書けることと、その取引手法が本当に有効であることは、まったく別の問題です。
AIがそれっぽい言葉で説明できることと、実際に損をしないことも、まったく別です。
ここを混ぜると危ない。
この時点の私は、そこまできれいに言語化できていませんでした。
ただ、ぼんやりとこう思っていました。
「よく分からないけど、任せればいけるんじゃないか?」
この考え方こそ、たぶん一番危ない入り口です。
今回の学び
第3話の学びは、これです。
AIは、分からないこともコードにできてしまう。
これはすごいことです。
でも、だからこそ、作ったものをどう検証するかが大事になります。
AIが「この条件で入ります」と言っても、その条件が本当にトレードとして意味があるのか。
AIが「損切りを置きます」と言っても、それが実際に取引所で正しく動くのか。
AIが「リスク管理できます」と言っても、想定外の相場や通信エラーでどうなるのか。
ここは、コードが書けたあとに一つずつ確認するしかありません。
そして次回は、その確認作業に入ります。
なぜかAIは、テスト用の通貨すらすぐには使わず、まずは注文しない状態で何度も確認を始めました。
エントリーできるのか。
損切りは置けるのか。
条件がそろわない時に、ちゃんと見送れるのか。
派手な自動取引の話を期待していたのに、始まったのはかなり地味な動作確認でした。
でも今思えば、その地味さが一番大事だったのかもしれません。
💬 コメントでの指摘も歓迎です
この連載は、私自身も勉強しながら進めている実験記録です。投資手法そのものへのご意見や、「この条件分解は危ないのでは?」「検証順序はこうした方がいいのでは?」といった問題点の指摘があれば、ぜひコメント欄で教えてください。個別銘柄の売買指示ではなく、安全面・検証面の気づきとして、今後の検証や続きの記事の参考にします。


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