前回(第3話)は、Xで見た手法をAIに渡して、Yoshi botの骨組みができたところまで進みました。
水平線もピンバーも、私はまだちゃんと分かっていません。
それでもAIは、環境認識、水平線、反発パターン、損切り、分割利確、ロット管理をどんどんコードにしていきました。
ここまで来ると、こちらの気持ちはもう完全に前のめりです。
「じゃあ、テストネットで動かしてみよう」
本物のお金ではありません。Hyperliquidのテスト環境でもらった練習用のUSDCです。
だから少し気楽に見ていました。
……この時点では。
⚠ この連載について
この連載は、AIを使った自動取引ボット作成の体験記です。投資助言や売買推奨ではありません。暗号資産は大きく値動きし、損失が出る可能性があります。実際に試す場合は、必ず自己責任で、余剰資金の範囲で判断してください。
今回の流れ
- テストネットで自動取引をONにする準備が整う
- 最初はシグナルが出すぎて、AIが条件を厳しくする
- 今度は3時間たってもポジションを取らず、条件を見直す
- ついに初注文が出るが、SDKの呼び出し方でエラー
- 注文は通ったが、SL/TPやサイズ計算でまた詰まる
- 「テストネットでよかった」と心から思う
まず、シグナルが出すぎた
テスト用USDCがボットから見えるようになり、ダッシュボードも動きました。
画面には、接続状態、監視している通貨ペア、シグナル、ログ、自動取引のスイッチが並んでいます。
いかにも「それっぽい」画面です。
私は当然、早くONにしたくなります。
ところが、最初のログを見たAIはこう判断しました。
そのときの会話イメージ
AIは、水平線の判定や同じシグナルの重複を見直し、シグナルが出すぎないように条件を厳しくしました。
たしかに、毎分のように「入れそうです」と言われても、それはYoshiさんの「これ以外はやらない」という話とは違います。
このあたりで私は、AIがただコードを書くのではなく、元の手法とのズレも見ていることに少し驚きました。
厳しくしたら、今度は何もしなくなった
ところが、次は逆の問題が起きます。
しばらく見ても、ボットが全然ポジションを取りません。
私は聞きました。
「約3時間で一度もポジションを取っていませんが、入れるところはありませんでしたか?」
この質問、いま見ると完全に初心者の焦りです。
AIがログを確認すると、原因は条件を厳しくしすぎたことでした。
トレンド判定のしきい値が厳しく、実際には下方向っぽい動きがあるのに、ボット側では「方向がはっきりしない」と判定されていたのです。
この時点で起きていたこと
- シグナルが出すぎるので条件を厳しくした
- 厳しくしすぎて、今度はほとんど入れなくなった
- ログを見て、どこで止まっているかを確認した
- トレンド判定やログ出力の方法を修正した
この段階で、私はようやく分かってきました。
自動取引ボット作りは、「勝てるコードを一発で書く」作業ではありません。
むしろ、ボットがなぜ入らないのか、なぜ入りすぎるのか、どこで止まっているのかを、ログを見ながら少しずつ直す作業でした。
地味です。
でも、ここを飛ばすとたぶん危ない。
ついに初注文、そしてすぐエラー
条件を見直したあと、ついにシグナルが出ました。
下方向のシグナル。弱気ピンバー。水平線付近。
AIは「シグナル検出、自動エントリー試行」と判断しました。
「来た」
と思いました。
ところが、そこで最初に出たのは、約定の喜びではなくエラーでした。
Hyperliquid SDKの呼び出し方が、AIの想定と実際で違っていたのです。
ざっくり言うと、AIは「こう渡せば注文できるはず」と書いた。でもSDKは「その渡し方じゃ分からない」と返してきた。
ここでまた修正です。

AIはSDKの中身を確認し、注文の呼び出し方を修正しました。
そして、再起動。
もう一度、自動取引ON。
次のシグナル待ち。
このあたりから、私は完全に「AIが作るのを見守る人」ではなく、「AIが修正するたびに画面を確認する係」になっていました。
注文は通った。でも、まだ安心できない
その後、ついにテストネットで注文が通りました。
ログ上では、BTCのショート注文が約定しています。
「おお、本当に入った」
たぶん私は、このとき少し感動していました。
ただし、感動は長く続きません。
次に出てきたのは、損切りや利確の注文がうまく置けていない問題でした。
エントリーはできた。でも、SL/TPが正しく設定できていない。
これは怖いです。
ボットが注文を出せないより、もっと怖い。
なぜなら、入るだけ入って、守りの注文がない状態になり得るからです。
実際、テストネット上の残高も少し減りました。
本物のお金ではありません。でも、画面上で数字が減ると、やっぱり少しだけ胃がきゅっとします。
今回の落とし穴
思っていたこと: 注文が通れば、もうだいたい成功。
現実: 注文が通ってからが本番でした。損切り、利確、注文サイズ、部分約定、ポジション管理まで、ひとつでもズレると「半分だけ動く危ないボット」になります。
サイズが大きすぎる問題も出た
さらに、別のシグナルでは「注文サイズが大きすぎる」というエラーも出ました。
原因は、損切り幅が小さすぎると、計算上のロット数が大きくなりすぎることでした。
たとえば、少ししか逆行しない前提で損切り位置を近くに置くと、同じリスク額でも取引量は大きくなります。
理屈では分かります。
でも、実際にログで「サイズが大きすぎます」と怒られると、かなり現実味があります。
AIは注文サイズの上限を入れ、取引所側の小数点ルールに合わせる処理も直していきました。
ここでもまた、私は思いました。
「テストネットで本当によかった」
この一言に尽きます。
今回の学び
第4話の学びは、これです。
自動取引ボットは、動いた瞬間から新しい問題が出る。
コードが完成したように見えても、実際に取引所へ注文を出すと、そこから別の世界が始まります。
SDKの呼び出し方。
注文サイズ。
SL/TP。
部分約定。
ポジション管理。
ログだけ見ていると、AIがどんどん直してくれて頼もしいです。
でも同時に、私はこうも思いました。
「これ、本番だったらだいぶ怖いな」
だからこそ、テストネットで失敗しておく意味があります。
テストネットの数字が少し減っただけでも、私は十分にびびりました。
本物のお金で同じことをしていたら、たぶん笑って記事にできていません。
次回は、このあとしばらくボットを監視した話です。
ポジションが残ったまま数時間が過ぎ、TP1が約定したり、トレーリングSLの計算ミスが見つかったり、また別の深い穴に入っていきます。
どうやら、AIボット作りの本番は、作ったあとに始まるようです。
💬 コメントでの指摘も歓迎です
この連載は、私自身も勉強しながら進めている実験記録です。投資手法そのものへのご意見や、「このテスト順は危ないのでは?」「注文サイズの考え方はこうした方がいいのでは?」といった問題点の指摘があれば、ぜひコメント欄で教えてください。個別銘柄の売買指示ではなく、安全面・検証面の気づきとして、今後の検証や続きの記事の参考にします。


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