前回(第7話)は、暇になった私が、AIに頼んで2体目のボット(ペアトレードボット)を作り始めた、という話でした。
部品を流用して、それっぽいものができてしまう。便利だけど、ちょっと危ない。
今回は、その2体目を、1体目のYoshi botと一緒に動かそうとした話です。
結論から言うと、問題も、ちょうど2倍になりました。
⚠ この連載について
この連載は、AIを使った自動取引ボット作成の体験記です。投資助言や売買推奨ではありません。暗号資産は大きく値動きし、損失が出る可能性があります。実際に試す場合は、必ず自己責任で、余剰資金の範囲で判断してください。
今回の流れ
- 2つのボットを同時に動かせるのか、不安になる
- ポートが別なので、技術的には同時に動かせると分かる
- でも、見る画面もログも2つになり、確認が一気に増える
- ペアトレードボットが「接続中」のまま、進まなくなる
- 原因は、画面側のとても小さな記号ミスだった
2つ同時に動かせるのか、不安になった
2体目ができてくると、私はすぐに不安になりました。
「これ、Yoshi botと一緒に動かして大丈夫なのかな」
「片方の接続を切らないと、ぶつかったりしないのかな」
そこでAIに聞いてみます。
そのときの会話イメージ
ポートというのは、画面やプログラムが使う「部屋番号」のようなものです。
3000号室と3001号室、というイメージでしょうか。部屋が別なら、ぶつからずに同居できる、という話でした。
理屈の上では、なるほど、と思いました。
問題は、理屈の上では、というところでした。
画面は2つ、ログも2つ、見る場所も2つ
同時に動かせると分かって、私はほっとしました。
でも、すぐに別の大変さがやってきます。
見るものが、全部2つになったのです。
2体になって、2倍に増えたもの
- 確認する画面(ダッシュボード)が2つ
- 追いかけるログ(作業の記録)が2つ
- 接続できているかの確認が2つ
- 自動取引のON/OFFが2つ
- 残高や注文の状態の確認が2つ
1体のときでさえ、私はログと注文と画面を見比べて、ヒイヒイ言っていました。
それが、まるごと2倍です。
このあたりで、私は気づき始めます。
「作れる」と「管理できる」は、やっぱり別物だ、と。
AIに頼めば、ボットは簡単に増えます。でも、増えたぶんを見守るのは、ぜんぶ私の仕事でした。
「接続中」のまま止まるペアトレードボット
そして、本格的に混乱が始まります。
ペアトレードボットの画面が、「接続中」のまま、いつまでたっても先に進まないのです。
自動取引のボタンを押しても、ONになりません。
画面が正しいのかどうかも、よく分かりません。
Yoshi bot側も、なんだか自動取引がうまく入らないように見えます。
私はすっかり混乱しました。
「やっぱり、2つ同時に動かすのは無理なんじゃないか」
そう思い込みかけました。
でも、ここがAIボット作りのこわいところで、見えている画面と、裏で動いているものは、必ずしも一致しません。
実は、ボットの本体(裏で動く部分)は、ちゃんと動いていました。
止まっているように見えたのは、画面側だったのです。
原因は、ものすごく小さな記号ミスだった
調べていくと、原因はとても小さなものでした。
ペアトレードボットの画面(フロントエンド、つまり人間が見る側のプログラム)に、ほんの小さな書き間違いがあったのです。
具体的には、プログラムの中の記号の閉じ方が、ほんの少しズレていました。文章でいえば、カッコを閉じ忘れたような、その程度のミスです。
でも、その小さなミスのせいで、画面とボット本体をつなぐ通信(Socket.IOという仕組み)が、そもそも始まっていませんでした。
通信が始まっていなければ、画面には何も届きません。
だから人間の目には、「全部止まっている」ように見えていたのです。
今回の落とし穴
思っていたこと: 画面が止まっている=ボットが止まっている。
現実: 裏では動いていても、画面がつながっていないだけで「全部止まって見える」。小さな記号ミス一つで、人間は状況を見失います。
ほかにも、ログが何もしていないときに表示されない、表がうまく並ばない、といった細かい画面の問題も出てきました。
どれも、取引そのものとは関係ない、地味な画面の話です。
でも、地味だからといって、軽く見てはいけませんでした。
今回の学び: ボットは作るより、見守るほうがむずかしい
第8話の学びは、これです。
取引のロジックと同じくらい、「人間が状態を見て判断できる画面」が大事。
私はずっと、「どう動かすか」ばかり気にしていました。
でも、2体になって分かったのは、こうです。
ボットがちゃんと動いていても、その状態が正しく見えなければ、人間は判断できません。
判断できなければ、止めることも、直すこともできません。
つまり、見守るための画面が壊れていると、ボット本体が無事でも、運用は危なくなります。
気づけば私は、AIに増やされた2つの管理画面を、ただ行ったり来たりして見守る係になっていました。
便利なAIに、ボットを増やしてもらうのは簡単です。
でも、増えたぶんを見守るのは、いつだって人間でした。
次回は、その「見守る日々」の中で、ついにテスト用の残高が、けっこうな額まで減ってしまった話です。
💬 コメントでの指摘も歓迎です
この連載は、私自身も勉強しながら進めている実験記録です。投資手法そのものへのご意見や、「2体運用のここが危ないのでは?」「画面と本体の確認はこうすべきでは?」といった問題点の指摘があれば、ぜひコメント欄で教えてください。個別銘柄の売買指示ではなく、安全面・検証面の気づきとして、今後の検証や続きの記事の参考にします。


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